日本では2022年7月下旬に新発売となったVictory SFL 40 です。
特に8倍機が実際には発売日にはほとんど(予約があった店舗あたり1台)入荷せず、その後の8月上旬入荷予定も予め連絡を受けていた予定数から大幅に減ったとのことで、私が予約した製品は9月1週まで待つことになりました。10倍はかなり早期に在庫がされたようでした。
Victory SF 32 , SFL 40他仕様簡易比較
(資料各サイトからの引用のため不正確な場合がございます。アイピース見かけ視界の?は1000mでのm表記からの簡易計算です)
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Victory SF 8x32 |
Conquest HD 8x32HD |
SFL 8x40 |
Trinovid HD 8x32 |
対物レンズ径 |
32 |
32 |
40 |
32 |
アイレリーフ |
19mm |
16mm |
18mm |
17mm |
最短合焦 m |
1.95 |
1.5 |
1.5 |
1 |
見かけ視界 |
67 |
64? |
60 |
54? |
重さ g |
600 |
630 |
640 |
630 |
高さ |
152mm |
132mm |
144mm |
130mm |
幅 |
112mm |
115mm |
114mm |
117mm |
レンズシステム |
Ultra-FL |
HD |
UHD |
HD |
当ブログでは面倒さもあって、他の製品レビューのように真面目に製品スペックや開封・外観などお伝えしてきませんでした。今回はSFLのL = Light weight が示すように40mm機でありながら比較の対象が30-32mm機に侵入してしまっているためあえて表にしてみました。
過去記事で書いたように私個人は30mm付近がコンパクト・軽量さと光学的品質の満足感を両立できる最小口径だと持論を持っていました。その中でTrinovid HDやConquest HD またはKOWA Genesis のいずれも32mmはそれぞれ一長一短がありながらも、私の琴線に触れる良いところまで来ていました。
そこへSFL 40の新登場です。
さしずめ重量制格闘技試合の1規格上の選手が無理に減量して、下ランクに殴り込んできたようです。 32mm選手にとっては「聞いてないよ」といったところでしょう。
詳細は中長期使用後の本レビューにて書きます
夜間の満月・星、そして日中晴天戸外での使用の所感は?
・軽量で手のひらに吸いつくようなゴムラバー外装、そして重量バランスの良さ
・SFの名のとおりフォーカスリングの回転が軽く適度なトルク感とスムースさを併せ持ち快適
・自然観察に必要な近距離フォーカス1.5m 近距離観察が楽しい
・カラーバランスが他のZeiss現行機と違い、よりフラットに近づいた(強いていえばSwarovski寄りだが、木々の緑や青の高輝度部分が突き抜ける感じとは微妙に違う)
・明るい視野に前後ボケが美しい
・金属類の輝きや階調再現は良好 (Classic/Dialytはやはり超えられない。というか現代機で超えた物を見たことがありません・・)
・クレセントグレアは極端な条件で視野1/4程度でる。内面反射処理は適切でグレア耐性はある方
・アイピースは覗きやすく周辺を見回すさいに起きがちなブラックアウトは軽微
・中心からコントラストの高いパッキリとした解像力を振るう像質 満月は質感重視というより明るく輝きコントラストで見せる、健康な見え方
・周辺像は若年層には無関係なレベルの像面湾曲と、非点収差が軽微にある。 中心から半径50%はかなりの良像、そこから徐々に周辺にかけ穏やかに崩れる
・前後フォーカスの色収差、木々の枝や白い物のフリンジは中心部分はほぼ気にならない。 周辺にかけての倍率収差は少し見られる。
・日中の見え方はSwarovski NL Pure, SLC HD, Carl Zeiss Classic 8x56T*P* と比べたが、SFLはどれにも完全に合致しない。私の記憶の中でSFLと完全に同じ見え方をする機種が無い?
・夜間の天体・星空観察に軽量でかつ手ブレもそれほど気にならず使用できる。抜群のコントラストと完璧では無いがよくコントロールされた収差補正で星像を楽しめる。
・製品のQCは完璧!内部にゴミや汚れがほぼ無い
・既存の3cm機の存在意義を揺るがす問題作
・やはり軽量・コンパクトさは正義
SFLコジンテキニハカナリマンゾクシテイマス
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