ジャングルさんの双眼鏡・単眼鏡レビュー Binoculars and Monocular Review

素晴らしい銘機から普通機まで、双眼鏡・単眼鏡についてその覚書

CANON 10x42 L IS 人工星焦点内外像

CANON 10x42 LIS 焦点外像 CANON 10x42 LIS 焦点内像 細かい論評はしませんが、UDレンズ使用のLとありますがアポクロマートと言うには青の焦点位置が遠くにあります。また内外の対称性と真円性もあまり良くありません。 個体差なのかもしれませんし、手ぶれ…

気がつけばご長寿なキヤノン 10x42 L IS WP

バリアングル光学式手ブレ補正、ダブレットフィールドフラットナーレンズ UDレンズ採用 最短2.5m 発売年が正確に記載されている公式資料を見つけられていませんが、価格.comの発売時価格情報を見る限り2006年8月とあります。もう10年を軽く超え20年へと近い…

番外編 JAXA 筑波宇宙センターへ行ってきました

H2ロケットの勇姿 今回は双眼鏡類とは全く離れ、JAXA 筑波宇宙センターを訪問したお話です。 この場内自体は不定期・年末年始を除いて誰でも指定された範囲内で見学が可能な施設です。参加したガイド付き見学ツアーも諸条件を満たし料金を払えば「筑波宇宙セ…

SWAROVSKI Habicht 8x30W 2022年製造品

Swarovskiが1949年に販売開始をしたHabicht(記述では最初のリリースが7x42)シリーズですが、今回は現行の2022年生産品であるHabicht 8x30Wについてのインプレッションとなります。 Pros 小型軽量 クラシックなボディデザインと取り回しの良さ 中心像はNL P…

コーワ、スワロフスキー 双眼鏡・フィールドスコープ体験会

先日ある催しに行ってきました。 場所は千葉県民心の聖地のひとつとも言われる鋸山です。 千葉県に長く住んでいた私にとって鋸山、鋸山ロープウェー、そして日本寺の大仏に千五百羅漢像は小学校遠足の遠い思い出の地でもあります。スワロフスキーとコーワの…

手に届く大口径高倍率 Nikon 18x70IF

ひととおりの試用後、この70mm双眼鏡について「老舗ニコンによる中型双眼鏡の逸品」というフレーズが一番に思いつきましたが、それは必ずしも光学性能や実際の使用における使い勝手を含めての印象を表してる訳では無く、寧ろその二つの点においては「過去逸…

軽さは正義 Zeiss SFL 8x40 初期レビュー

日本では2022年7月下旬に新発売となったVictory SFL 40 です。 特に8倍機が実際には発売日にはほとんど(予約があった店舗あたり1台)入荷せず、その後の8月上旬入荷予定も予め連絡を受けていた予定数から大幅に減ったとのことで、私が予約した製品は9月1週…

双眼鏡・海外オークション返品記 Ebay Leica Trinovid 編

海外オークション、私は20年以上売買を行なっていますが海外から購入する場合の勝率が自慢ではありませんが著しく低いです。 その昔はカメラ、レンズ、双眼鏡光学製品だけでなくEmuなどのハードシンセサイザーやROM等も仕入れた為、ショップでは無い個人様と…

知っておきたいクラシック双眼鏡 Carl Zeiss Jena Deltrintem 8x30 Richter モデル ( BLRMレストア品 )

古典双眼鏡、特に戦前のノンコート品に手を出すこと自体あまり機会がありませんでした。本サイトで唯一レビューしているのはZeiss Theatis ポケット双眼鏡だけだったと思います。 binocularsreview.hatenablog.com ノンコートTheatisの印象は、皮肉にもコー…

サイトロン  SIGHTRON SV 842 ED

サイトロン SIGHTRON SV 842 ED サイズ 横・厚・縦 145x55x181 mm とAKプリズム採用により長く、横幅がある 重量 968g 最短1.8m メーカー公表、実測1.5-1.6m 見かけ視界 旧基準64° 、実視界8° 当ブログで購入直後のファーストインプッレッション、人工星によ…

SWAROVSKI CL Curio 7x21 

今回はあまり冷静にレビューできません。お好きな方は是非ともお求めください。 終わり。 超まとめ ・デザイン性優先でありつつも使用感や操作の快適さに一切影響なし。 ・光学性能はこのクラスでトップクラス ・見て持って、所有する喜びに満ち溢れた製品 …

本物のプロ機 装備品 Fujinon Stabiscope S1640

以前レビューしたFujinon TS-X1440は民生用の防振双眼鏡でありながら電子ジャイロの信号を元にプリズムをダイレクトに駆動させ広い補正角度±6度を実現しています。 実際のブレ補正能力も大きな揺れに対して強力で、手ブレというよりはもはや自分が立っている…

古典ポロ機の完成形 Nikon 8x30 EII

久しくポロプリズム双眼鏡は所有も使用もしていませんでした。理由はいくつかありました。 ・見た目が「 The 覗いてる」を体現している形状(まったくの主観です) ・最短距離が長く自然観察に適さないケースがある ・内面反射処理とプリズム構造的な課題が…

星と自然のフェスタ 2021 雑感 ー 小海リエックス会場

今回は2年ぶりに開催された、長野県小海町の星と自然のフェスタ参加記です。 既にTLやblog等で参加者さんよりレポートが多数あがっています。そのとおりの盛況ぶりでしたし、何かと行動が制限されてきた日々から解放され、参加されている皆さんの心からの笑…

レンズクリーニング どうする? レンズペンを試す クリーニングペーパーも。

日本ではハクバ写真産業さん扱いのレンズペン LENSPENを試す レンズクリーニング、特にネットや教科書に書いてあるレンズ清掃方法、わたし、大の苦手です。いわゆる「先のとがっていないピンセット等に、専用クリーニングペーパーまたはシルボン紙を巻き付け…

Jungle's Classic Two, Semi Old Swarovski

続きまして蔵出しのレビューでございます。 Swarovski SLC 8x30 MKII, 初代EL 8.5x42 と EL8x32です。 初代ELシリーズ(Swarovision前の1999から2000年代の世代)を当時の私は金銭的に無理をおして購入し、もうこれで「買い換えること=散財すること」も無い…

Jungle's Classic One , FMT-SX 7x50, 5x15D CF, Trinovid BA 7x42

双眼鏡の覚書を書き始めたのは、カメラレンズを何度も忘れて同じレンズを繰り返して買っていたのを防ぐ意味で書き出したレンズ描写の備忘録の延長でした。ウェブサイトを開設して公開していたデータ一ログを先日PCから発見しました。2005年頃の、今読み返す…

Swarovski CL Curio 7x21 first impressions

CL Curio 7x21 専用ストラップ 小雨の降る金曜、JR両国駅から約束の時間までまだありましたので、国技館と江戸東京博物館を遠回りに歩き、そしてDocomoのビル風に一瞬傘を煽られやってきましたハクバ写真産業さんの本社ショールーム。 Tさんは早速新製品の箱…

TS-X 1440 人工星焦点内外像

TS-X1440 焦点内像(左)焦点外像(右) 実は何度も撮影をやり直し、左右鏡筒も比較しました。ジャイロ通電と手ブレ補正作動の有無とも比較しました。結果はほぼ変わりません。 今回はLED光源 5500Kのホワイトのみ掲載します。 正気に言いますと、どう解釈し…

防振双眼鏡はやはり神? FUJINON TS-X 1440 TECHNOSTABI

超まとめ ・フジノン長年にわたるプリズム防振技術の最新機 比較的大きな振動の抑制に威力を発揮 微細な振動抑制にはそれほど強くない ・用途のお勧めはメーカーカタログどおり (用途にあったタイプを選ぼうに記載) ・光学性能は不満のない程度の良好さ ・…

Swarovski ATX 25-65x 85 スコープ Part.1

先日、BirdforumにてSwarovski ATX-115:Star-test and Resolution Measurementなる投稿がされ、その内外像が光学性能的によろしくなく、議論になっていました。 結論としては、「スワロのスコープはATXやSTXアイピースモジュール内のプリズム で対物ユニット…

RICOH PENTAXの良心 気になる双眼鏡 AD 8x36 WP Part.2

肝心の光学性能的な見え味の話です。 中心のごく狭い範囲(みかけ視界直径5度未満と極端に狭い)は鋭像で優秀なポロ機中心像に肉薄と言えば大袈裟ですが結構良いところまで迫っています。 当初店頭で見た際には「明るく健康的な色彩でコントラストも良いけど…

RICOH PENTAXの良心 気になる双眼鏡 AD 8x36 WP Part.1

PENTAX AD 8x36 超まとめ ・実売1.5万円のダハプリズム双眼鏡としてはコストパフォーマンスに優れる ・Made in China でありながら、中華ブランド製品よりもQCは良好、アクセサリーを含め品質が半段高い。 ・実質40mmダハに近い大きさと重さ。長い鏡筒デザイ…

Swarovski NL Pure 10x42 焦点内外像  ( SLC 7x42 とも比較)

(訂正)Jan 2022 NL Pure 10x42の焦点外像 画像が実際には焦点内像の別カットを掲載していました。 謹んでお詫び申し上げるとともに、LED 6500K ピンホールによる焦点外像と焦点像を掲載しなおします。 記載内容も一部修正いたしました。 -----------------…

Nikon WX 10x50 IF 焦点内外像

WX 10x50 IF 焦点内像 WX 10x50 IF 焦点外像 Nikon WX 10x50 IF ピンホール人工星像による焦点内外像です。 6500K White, Red, Green, Blueの順です。 テスト概要と注意点は以下リンクをご一読ください。 ピンホール焦点内外像による双眼鏡描写の理解 - ジャ…

サイトロン SV 842 ED 焦点内外像

(訂正)Jan 2022 SV 842 EDの焦点外像 画像が実際には焦点内像の別カットを掲載していました。 謹んでお詫び申し上げるとともに、LED 6500K ピンホールによる焦点外像と焦点像を掲載しなおします。 記載内容も一部修正いたしました。 ---------------------…

ピンホール焦点内外像による双眼鏡描写の理解

梅雨のあいだ星も鳥も見る機会がめっきり減りましたので、人工星でも眺めてみましょうかというのが発端です。 嘘です。 海外の双眼鏡や望遠鏡に関するサイトでは、その機材について数値化した評価がされているケースを多く見かけます。あくまで主観的な体験…

Swarovski NL Pure 8x32 quick review

NL Pure 8x32 既にNL Pure 10x42を所有し、いくつかの短所(グレア、ブラックアウト)を認めつつも不満なく往なす術を習得したところでした。そして、得られる視界体験の後には、毎回の感嘆と10倍の選択で正しかった自分を褒めてあげたいという自己愛撫的な…

スワロフスキー・オプティック ショールーム訪問記

ご対応いただいたハクバ写真産業のTOさん、TAさん、筆者(右) 2020年7月にベルボンより事業譲渡を受け、スワロフスキーオプティックの日本総代理店権を取得した ハクバ写真産業株式会社の本社ショールームにお邪魔しました。 場所は東京・両国駅のすぐ近く、…

SWAROVSKI CL Pocket 8x25 趣味性の高い愛玩的双眼鏡

2021年 新発売された CL Pocket elegant 25は、外装の優美さがさらに増し、新たな色としてアンスラサイト(無煙炭)が追加されたことが最初に目に付くところです。 対 Zeiss Victory Pocket (FLレンズ採用の25mm)という後出の強力な好敵手に対し、スワロフス…