当ブログの読みかた 数量評価への小さな疑問
今更スタート地点に戻ったようなお題です
そもそもこのレビューとも言えないインプレッション記事は、他人様にお読み頂く目的ではなく、双眼鏡やレンズ道楽にて一度売却した同じ製品を後年また買い直す際に以前のことを思い出すための備忘録として始めた記録でした。結局、抑止力にはならず同じレンズや双眼鏡・単眼鏡を何度も買い直したりしてしまっているのですが・・・
リアルでお会いする天文関係の方々にこのブログを「参考になる」と言われれば嬉しいのですが、「書いてあることの半分もわからない」とのお声もあり、正直自分の為だけに書き出した文章ということもありまして、読者の理解レベルを考慮したり自分の中にだけある感覚的な表現を一般化した説明を加える努力はしてきませんでした。少し反省です。
ご覧になられている方はお気づきでしょうが、他サイトのような数量評価でもありません。
ここで改めてAIの力を借りて当ブログの位置付けをまとめました。
前提
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このブログは「旧 価格.com 縁側(双眼鏡・単眼鏡アーカイブ)から継承」とあり、過去からレビューを書き続けてきた流れがあります。
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レビューは個人経験に基づき、年齢・健康・環境・知識の不足で見解が変わり得ること、個体差や仕様変更の影響があること、利害関係があれば明記すること、アフィリエイトを使うがニュートラルに書く努力をしています。
主な用途・嗜好
・バードウォッチング/自然観察+天体観望の二刀流ユーザー
強み・弱み(他サイト比較)
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AllBinos(欧州中心・ラボ測定+定量スコア)
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OutdoorGearLab / Cornell Lab(大量比較・一般ユーザー向け総合テスト)
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日本の一般向け「おすすめ」系/用途特化系ブログ
以上サイトを基準に整理します。
このブログの強み
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光学的な“見え”の解像度が高い
多くの一般レビューが「明るい/見やすい/コスパ」止まりなのに対し、周辺像崩れや収差タイプ、グレアの発生源まで分解して語る。
→ AllBinosの定量とは別の、「人間の目での質感差」を言語化する力が強い。 -
天体・自然の両用途での実戦レビュー
星像・薄暮・逆光など、用途依存の弱点を具体的に拾う。
→ バードウォッチング特化のCornell型レビューより、天体派にも刺さる。 -
長期経験と“歴史軸”の比較ができる
価格.com縁側の時代からの蓄積+ヴィンテージ機の参照を織り込むため、世代差や設計思想の変化がわかる。 -
バイアス開示と自己限定が丁寧
年齢・体調・個体差・仕様変更・アフィリの前提を最初から書く姿勢は、個人サイトとしてはかなり誠実。
このブログの弱み
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標準化された定量データは少ない/比較軸が読者に委ねられる
AllBinosは視野・解像・収差などを同じ手順・スコアで揃えます。
このブログは星像テスト等をしていても、統一スコアや測定系の開示が主目的ではないため、モデル横断で一発比較したい読者には不向き。 -
網羅性は高くない(記事数・対象レンジ)
約60記事規模で、筆者が実際に触れた機種中心。
OutdoorGearLabやCornell Labのように「市場の売れ筋を大量に購入して面で評価」するタイプではない。 -
筆者の嗜好・視覚特性への依存が大きい
本人も「年齢や健康状態で見解が変わり得る」と明言。
さらに加齢による感度変化を体感ベースで書いているため、
→ 若年層・別用途の人には“刺さる点/刺さらない点”が出やすい。 -
初心者ナビゲーションはやや薄め
日本の用途特化・初心者向けサイトは「会場サイズ→必要倍率→おすすめ3選」みたいに即決用の導線が強い。
このブログは“沼の入口を紹介する”より“沼の深部の風景を描く”側なので、最初の1台を迷う人には少し情報が重いかもしれません。
※なおOutdoorGearLabのような総合サイトは便利ですが、コミュニティ側から「透過率などの制御測定が十分ではない」など方法論の弱さを指摘されることもあります。
この点では、手順の甘い総合サイトより、筆者の“目と経験に基づく精密な観察”の方が信頼できる局面もある、というのが公平な見方です。
どう使い分けると良いか
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このブログが特に強い読者層
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収差や像質の違いを理解したい中級以上
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天体+自然観察の“二用途運用”を考えている人
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ヴィンテージや高級機との比較を知りたい人
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他サイトで補うべき点
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数値・スコアで横並び比較したい → AllBinos等の定量テスト
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初心者が用途別に最短距離で選びたい → Cornell / OGL / 国内おすすめ系
要するに、「機種の本質的な見え方・設計のクセを深掘りするならジャングルさん」/「購入候補を面で絞るなら定量・大量比較サイト」という住み分けがいちばん合理的
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以上、いかがでしょうか? よくわかってますね調教中のチャッピーは。
何も反論はありませんが、ここでふと、思いだしましたのは、数量評価主軸の他サイトのように点数や数値化をしなかった(できなかった)のか?という理由です。
それは、眼視という個人の主観と体調や器質・年齢等のファクターが入り混じるものに絶対的な数量評価など持ちこめないといこと、測定機器を個人では持てないこと(焦点内外像撮影は途中から実施はしていますが)、最後にその測定法と導かれた数値が本当に眼で見えていることを表現できているのか?という疑問からです。
特に、Transmission 透過率や、分光透過率のグラフはその色味や明るい暗い程度の傾向はわかるものの、測定方法自体に以下の課題があると思っていました。それは
接眼レンズ(+望遠鏡/鏡筒を含む光学系)の射出瞳を介した分光透過率を測る際に、形成像とは別の散乱光(迷光)や、射出瞳の球面収差・瞳収差に起因する光束ムラが数値へ影響するか?
望遠鏡・双眼鏡の透過率測定は一般にJIS(ISO 14490-5)で積分球を使用する方法1と、AllBinosで実施されていると推察する接眼レンズからの瞳の光束を直接センサーで捉える方法です。
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積分球(integrating sphere)等で“総透過”として積分してしまう測定
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射出瞳をダイレクト(=エタンデュ整合の受光)に測る測定

本図はISO 14490-5 で、7に相当する双眼鏡などの光学系から出た光を9の積分球(内面に白色の反射塗料を塗布)内で反射させ測定をする。ダイレクト測光の場合は、8のスリット以降に測定器を設置。
それぞれの方法には課題がありまして
1) 積分球測定が得意:入射した光束に対する 半球(または全立体角)に出てきた総透過
→ 形成像に寄与しない散乱・ゴースト・フレア成分も「出てきた光」として回収されやすい。
2)射出瞳ダイレクト測定が狙う:観察者の眼/センサーが実際に受ける 有限NA・有限瞳径・有限視野での有効透過 → 瞳位置・瞳径・角度分布に対する整合が崩れると、逆に大きく誤差が出る。
1)は内面反射をしようが、レンズ表面で散乱しようが積分球内に光として届けば透過率に貢献してしまうということです。変ですよね?
2)は、AllBinosが Swarovski EL 50mmの過去レビューにて接眼レンズ後のどの位置で透過率を測定するかで透過率曲線の結果が変わるという事実が物語っています。 尚、この点AllBinosに測定方法と問題点にについて質問として問い合わせた事がありますが、回答を頂けませんでした。 また、光学系の瞳の球面収差が良くないアイピース系では覗く位置が平行にずれるだけで視野内の色味が変わります。これも実態に即さない表現になる可能性があります。
まとめにはなりませんが、多角的な視点から物事を評価しインターネットに溢れかえる情報から自分の知りたい答えを得られれば、そして本当にご自身が気に入った道具で美しい世界を観察できれば良い訳でして、当ブログもその一助になれば幸いです。
賞月観星 APO HR6.5x32WP

世界一を挑戦したという賞月観星の新作双眼鏡です。
FCD100(FPL-53,55相当)のEDレンズを採用したAPO(アポクロマート)仕様
視野内の良像範囲100%という挑戦的な商品説明が続きます。
倍率は6.5, 8, 10倍と用途や好みに応じた幅広い選択が可能で、低倍率は天体観望向けに特に期待できます。
今回は初期入荷の低倍率6.5倍を使用してみました。
結論としては、星見用途ならば6.5倍のAPO HR6.5x32WPは絶対のお勧めです。
明らかに目標といいますか、オマージュといいますか、エッセンスをコピーしたSwarovski NL PureやELの数分の1の価格で
肉薄した性能を楽しむことができます。 双眼鏡マニアの光学部分に関する限界的な性能については比肩している/達成していないところがそれぞれありますが、大多数のユーザーにはこの価格帯で不満が出る事はないと思います。 といいますか、バーゲン価格設定すぎると個人的には思います。

オマージュといいますか、リスペクトといいますか、そこまで真似しなくても良いと思うパッケージやアクセサリー。 賞月のアイデンティティを貫いて欲しいと思います。

ボディ、取り扱い、外装
実際の重量よりも体感的に非常に軽く取り回しが良いです。
軽さで言えばZeiss SFL 30の方がより軽く、サイズ的にも小さいのですが実際の使用に際してHRが重量バランスの配分が良く取り回しが良いのでフォーカスリングの絶妙な使いやすい位置とも相まって総合力的にHRが好印象です。
NL Pure32のように鏡筒長さがあるのですが、指がかりとバランスはHRの方が良いです。 NL Pure32は一度所有しましたが42機に比べ重量バランスと手指の配置がどうしても収まりが良くなく現在は手放してしまいました。
外装のエラストーマ、キャップは及第点です。新品の賞月臭(と、密かに命名しています)という独自のエラストマー臭があります
ただし、以前の賞月機よりは大分臭いが抑えられています。 ゴム、エラストマーの可塑剤や反応剤など添加剤使用について高い規制が欧州メーカーはベンダーに課しているようで、以前スワロフスキーの新規サプライヤー登録申請書をみましたところRoHS規制対応をはじめ数々のコンプライアンス対応が書かれていました。このあたりが、後追いの新興国メーカーとの違いだと思います。
実際の印象
APOの名称はコマーシャル的な意味合いが昨今強いとは思いますが
本HRはSwarovski NL PureやELをターゲットにしたと思われ、色消しの度合いもそれらに肉薄しています。 周辺にかけての倍率収差はありますが、SFLやSFに比べてもかなり少ないです。また、驚異的な像面のフラットさ、非点収差の少なさが特徴で日中および夜間の天体星像いずれも周辺像の崩れが非常に少ないです

自然観察においては色彩豊かで、視野全体のカラーバランスがニュートラルで美しいです
ボケに少し特徴がありクセのあるくずれ方をしています。


中心像の鋭敏さ、星を見た際の針で突いたような高級ポロ機やNL Pureの星像にはわずかに及んでいない印象ですが、前述のように視野周辺にかけての崩れが驚異的に少ないことで、全体を見回した際に超解像の情報量を得られている感覚になります。
近接距離の観察は特に物体の写実性というかリアリティが良いですが、反対に距離が離れると少し平面的に感じ、究極的なヌケや透明感も含めこのあたりが高級機との差を感じます。
しかし、肉薄しており、大多数のユーザーはHRに感動をおぼえるレベルだと思います。


欠点について
まず、NL Pureの欠点まで見事に真似してます
アイピースのアイカップ位置によりビーンズエフェクトでブラックアウトがしやすい(レンズ側に近い方向) そこからアイカップを引き出す方向にすると、今度はクレセントグレアが出やすくなります。 グレアは画像のようにフォカスユニット周りが光ることが原因です。
どの位置に眼をあわせるかがユーザーの悩みどころとなります。
また、歪曲収差を完全補正にしているため双眼鏡を振った際の回転球現象があり、私は特に上下に振った際に違和感を感じました。
最後に、私個人としては、この新作に非常に感銘をうけており、特に冬のヒアデスやオリオンの星々を流して見た際の全面フラットで美しい星像と色は感動的でした。
多くの人にこの双眼鏡を知って触っていただきたいなと思います。
長期使用のレポートも後に書きたいと思います。
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HINODE ヒノデ 6x21-U1 プレミアムコンパクト界の新星
日の出光学の製品およびWebサイトは以前からチェックはしていました。
しかし実際に製品を手にする機会がなく、レビューに至っていませんでした。このプレミアムコンパクト・高価格帯の双眼鏡にヒノデが初めて参入、その開発・採用経緯がサイトに書かれており内容も非常に興味深く、いつかは購入しようと考えていました。

倍率6倍の口径20mm近辺といいますと、Swarovski CL Curioが思い浮かびますがこのクラスとの差に肉薄しているかは後ほど。
外観・操作性
サイトの説明によるとコストダウン目的で既にある既存のコンパクト双眼鏡ボディを使用したとのことです。
具体的にどのブランドの何かは触っても思い当たりませんが、外観デザイン含め可もなく不可もなくといったところです。 ダブルヒンジタイプの折りたたみ時にコンパクトになるデザインです。シングルヒンジと違い、使用時に目幅を合わせる再現性や使用時の固定性に問題が生じることが一般的にこのデザインでは起きがちです。 ヒノデ6x21-U1はこの点合格で、ヒンジの適度な硬さと操作性の良さで不快な経験は一切ありませんでした。
操作と外観について強いて改善希望に言及するとすれば以下です
1)アイカップの引き出しに段階クリックがあってもよかった
2) フォーカスノブが小さく指2本で摘んで回すことが前提。人差し指1本で回る軽快さが理想。
3) 視度補正の0点指標はあるが、わかりづらい
4) ラバー外観にもう少し高級感があれば
光学部、見え方など
開封し、屋内と屋外の景色に双眼鏡を向けると思わず「やるじゃない。ををっー」と呟いてしまいました。
シンプルに像が美しく整っています。しかも、高級機特有のある種の品というか質感を伴う明るく健康的な像です。
ただし、すぐ気がつくのはいわゆるZeissタイプ(中心像で魅せる。周辺像は崩れる)なのと見かけ視界が広くはないアイピースとの相乗効果で窮屈に感じます。 昨今のフィールドフラットナーに慣れた眼には良像範囲が狭いため、合う合わないの好みはこの点で大きく全体の評価に影響すると思われます。 中心像の色ずれは極小かつ像はシャープです。
中心から周辺にかけて半径で30%程度から崩れます。倍率収差は存在がわかりますが少なく良好に補正されています。
アイピースを覗く位置に少々寛容でなく、瞳の球面収差補正に少し改善の余地があると思います。
日中の観察においては、まず視界が明るい。カラーバランスが良く自然の緑や花々の色がとても健康的です。
仔細に観察すると全体の色調は緑黄色に僅かに偏っていますが透過率が高い光学系のおかげで、くぐもったり、煙ったような描写には一切なりません。 白い陶器のエッジに色収差は見られず、金色の彩色など正確に描きます。
植物の葉の質感描写はとても良好でピントの合ったシャープなポイント前後のボケはとても自然です。
逆光条件や斜光では残念ながらクレセントグレア(三日月形状の光のゴースト)がきつめに出ます。
これはプリズムのエッジと遮光環のエッジで光っていることが原因です。
屋外の使用においては距離的に5-10m前後の対象がとても綺麗に見える印象です。

CL Curioとの比較
CL Curioはアイピースの覗きやすさ、周辺像の安定性、操作性、デザインの洗練度合い、下手をするとSwarovskiの他の CLシリーズよりもCurioは出来が良いとの声もあるほどですので、相手が悪すぎます。価格が倍以上違いますから、その点においてはヒノデが大健闘をしていると思います。
ここからは独り言です
ヒノデ6x21-U1の見え方に何か既視感があるなと思っていたのですが、ふと並べてみたらこれです。
検索に引っかからないよう製品名は書きませんが(笑)
対物レンズ径は違えどもコーティングは似ています。 また、アイピースに至っては見える部分のレンズ径は同一。アイピース第一面の曲率も同一に見えます。 さらに内部を観察するとシュミットぺシャンプリズムのホルダー枠部品、プリズムの角の面取り、大きさ、全く同じデザインに見えます。 悪いことに逆光に弱いことも、グレアの出方まで似てます。



ここからは妄想ですが、私が大好きで気に入っている某高級国産単眼鏡の対物レンズだけ(追記:単眼鏡は接眼部繰り出し式、双眼鏡はインナーフォーカス式の違いから6x21-U1にフォーカスレンズが追加されている可能性は高いです)変更したデザインで双眼化したのでは? これは私的にはGOTO GT-M518が出た当初から望んでいた製品でしたので嬉しい限りです(あ、書いてしまいました)
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賞月観星APO 6x30 CF
勝間のオマージュとして販売時に紹介されていましたが、実機を手に取って堅牢な造りと手にも持った際のソリッド感、そしてEDレンズ使用による非常に現代的かつ色収差コントロールに優れた美しい像に惚れ惚れとしましたし、勝間の双眼鏡に過去特別な思い入れも印象に残る感想も個人的に無いので、これは堂々と賞月観星の逸品ですと胸を張って宣伝して欲しいと思います。

感覚的なインプレッションとなりますが、使用した感想など記します。
艶と視野内の見え方にいわゆる「とろみ」が少なく、日本の高級双眼鏡と欧州双眼鏡の中間的な見え方です。
視野周囲の色収差(物体エッジの色づき)が少なく高級双眼鏡のテイスト・空気感・素通し感を存分に楽しめ、倍率収差は中心から半径30%あたりから青・赤のずれが見られるが非常に少なくコントロールされています。
物体の瑞々しさ、艶感に御三家高級機に比べるとごく僅かに物足りないですが、現代的なマイクロコントラスト高めで、輝度の高い部分、例えば碍子に光る太陽や光線などに色づきや曖昧さのないキッチリと収束した描写をみせます。
白い陶器や素焼きの器肌のような階調表現の描出が問われるような物体を見た場合、十分な性能を見せ、その器の肌の微細な模様も解像力で表現します。価格的には10万円以上の機種にも対抗できると思います。
中心の先鋭さはNL Pureほどではないが十分です(6倍という倍率の問題もある)
良像範囲としては中心から半径40%ほど、実際には像面湾曲によるものが支配的で年齢が若い層には更に広範囲が良像と認識できると思います。ピントの位置を周辺に合わすと像の崩れが非常に少ないことがわかります。色の再現性、正確さに優れ視野内のコントラストの良さやクリアさ、美しさ、前後の空間のつながりの良さが特徴です。

工作精度の課題
CFのフォーカスを動かすと、ホイールの動作に合わせて軸のねじ切り切削精度や左右のアイピースユニットの摺動筒部とのクリアランスの関係で左右の光軸に対する直角の平行度が微妙にずれがあるようです。水準器を接眼レンズにあてて観察するとよりズレるポイントが明瞭にわかります。これが実視においては左右ピントの芯が微妙に合わないような感覚に捉われる理由かと思われます。この影響は目が鋭敏であるかどうかというより、加齢による像面湾曲への眼のピント調整対応能力の低下でより顕在化しやすいと思われます。
ちなみにNikon 8x32 やZeissのポロ機、Swarovskiのポロ機では全く水準器の泡は動きません。中高年の老化した眼には像面湾曲への対応能力、左右視差のずれへの感受性などについてより機械工作精度で担保された機種の方が優しいとも言えそうです。そういった意味では6x30のIF機により光軸精度維持の観点で期待する部分があります。




人工星焦点内外像


まとめ
双眼鏡にEDやAPOが必要か?そもそも10倍以下の低い倍率に色収差補正を行う意味が無い、双眼鏡は中心に観察対象物を置くので周辺像に言及する意味が無い、特に旧Zeiss双眼鏡好きな方からこういった意見を聞きますが、私個人は半分ご意見は伺いますがそうでは無いとも思います。
マーケティング手法としてのEDやAPOはネーミングに乗っかっている側面があるのは事実ですが、実際に前後フォーカスの空間と視野周辺の倍率色収差をコントロールされた製品がみせる像は旧来製品とは違う新しい視覚体験をもたらしていると言えます。それが双眼鏡の進化なのかは議論があるかとは思いますが、多様性の進化としては受け入れて戴きたいです。
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双眼鏡 平行器(光軸検査器)のはなし
双眼鏡を写真用レンズのメンテナンス感覚で分解清掃し、元通りに組み直したと思ったら視軸が盛大にずれ、元に金輪際戻らなくなるというのはマニアにあるある話だと思います
その次のステップで平行器(検査器)に手を出すというのは当然の流れだと思います。
という訳で、このblogを読まれるような病膏肓に入るレベルの方には馴染みのある話題だということで強引に話を進めます。 (こんな感じで良いのでしょうか?)
双眼鏡は左右それぞれの光軸が両眼に対して平行にかつ、垂直平面に対しても左右回転ズレ像の倒れ無く調整されないと脳内で立体像合成がうまくなされませんし、脳で強引に立体像化が出来ても長時間の使用は健康を害する事につながります。これを双眼鏡の光軸平行度、他としてJISでは2段階のスペックで許容誤差が設定されています。視軸の簡易チェックは無限遠の鉄塔・アンテナなどを使って左右射出瞳(アイピース)から0.5-2m程離れて中心像から左右とも逸脱していないか、または上下左右の視野環限界に鉄塔・アンテナを持っていき左右が同じタイミングで視野外に消えるかを見る方法があります(後者はアイピース視野環の工作精度も関係するので鵜呑みにはできませんが)
古い双眼鏡や普段使用している双眼鏡に左右像の合致に違和感や使用している際の疲れを感じるようであれば、専用のツールでチェックを行うことも必要だと思います。修理マニアの方には必携のツールだと思います。 現行品であればメーカーに相談するべきで自己分解するなどは論外ですが。(という事にしておきます)
日本望遠鏡工業会では過去に目幅(IPD 60 64 70mm)3種類に合わせてそれぞれ携帯用光軸検査器として頒布していましたが、現在は在庫無し製造終了となっており再販が望まれます。
国内では自作の頒布をされている方がおられ、私もそれを購入させていただきました。
IPDは固定ですので、そもそも目幅調整を行った際に双眼鏡の左右ブリッジの工作精度が良くなく平行度が機械的に変わってしまう双眼鏡には、ご自身が使われる目幅と離れた検査機でチェックをしても意味が無い可能性がありますが。その話題に入り込むのは今回は止しておきます。
結論から先に言いますと、アルミフレーム筐体に光学メーカー製のスプリッターミラーを使用されて相応の簡易検査精度は出ていますが、私の購入した個体は単眼鏡で倍率を上げて、平行器単体でまず無限遠がどの程度ずれているかを確認したところ見事にずれていました。
これは正直JIS AA基準を検査を行うのに精度を満たせないレベルでした。
勉強として内部を拝見、調整したところ以下がありました。
・ずれはミラーの固定に起因している
・ミラーはソフト接着剤で固定
・ミラー台座は金属座とネジ止めで位置調整は可能
金属ネジの加工が粗末で緩めて微調整が難しい。ミラー固定接着剤がソフトエポキシ系を使用しているようで堅固に位置定めができていない




ネジ切りのやり直しと、固定ネジを別のサイズに変更、接着剤を硬めの物に変更
観察窓側から単眼鏡で倍率を上げて、無限遠の像を左右ピッタリ合わせてミラーの位置固定を行いました。 結論としては検査器の精度自体を使用前にまず疑う事だという点に気付かされたという事と、こういったツールを用いて自分の感覚に頼る部分を排除できる安心感が何よりの収穫だというのが感想です。
なお、取り上げました検査器は現在も販売されていますが、内部が改良されている可能性もございます。その点は販売元に確認を取っておりません。
また、分解行為は販売元の保証やサポートの対象外となる事にご注意ください。
ネット上では個人の方がこれら検査器光軸の内部調整が可能なタイプを開発されている記事をあげられています。是非販売に至って戴きたく応援しています!!!!