ジャングルさんの双眼鏡・単眼鏡レビュー Binoculars and Monocular Review

素晴らしい銘機から普通機まで、双眼鏡・単眼鏡についてその覚書

サイトロン SIGHTRON SV 842 ED ファーストインプレッション

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SV 842 ED と NL Pure 42mm

Made in Japan サイトロン 渾身の新製品 SV 

告白すると、現在所有の双眼鏡中で持って触って楽しい、見て楽しい双眼鏡の筆頭。

 

そもそも何を持って「良い」双眼鏡なのか、究極的には個人の価値観の違いによる。

また、双眼鏡は「アイエイド」製品という側面もあるので、「あなたのメガネと私の眼鏡、どっちが見える?」というのと同程度の愚問なのかもしれない。

読者の方は先刻ご承知でこのレビューを読んでくださっているとは思うが。

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サイズ 横・厚・縦 145x55x181 mm とAKプリズム採用により長く、横幅もある。

重量 968g と重い。

最短1.8m メーカー公表、実測1.5-1.6m

見かけ視界 旧基準64°  、実視界8°

 

実際に手に取ると、大柄なサイズにより重量が分散されとても軽く感じる。持ちやすいバランスで疲労をそれほど感じない。アイカップの引き出しが少し浅く、もう数mm欲しいがアイピース自体は眼球位置にそれほどシビアでもなく、ブラックアウトも昼夜ともに起きにくい。

 

EL SwarovisioやNL Pureにくらべ、青の波長透過率がごく僅かに低く全体に微かな黄暖色。

しかし、視野全体がとても明るく、十分な透明感、明瞭で濃い色彩とコントラストの出し方をしていてとても楽しめる。 僅かな像面湾曲と軽度な倍率収差があるが、良像範囲は周辺まで経化が少なく広範である。 中心像の鮮烈さはNL Pure やELに伍す事はできないが、それでも尚素晴らしいレベル。 特筆すべきは内面反射対策の徹底により、クレセントグレアやフレアが非常に少なく抑えられている事。この点だけで言えばELやNL Pureをも超えている。

 

星見の用途でも、日中の自然観察でも、42mm機を検討される際には是非候補に入れていただきたい。 いわゆる欧州高級ブランド御三家のハイエンド機を光学性能を含めた全てで超えることはコストの関係で実現できていないが(技術力による差とはもはや思っていない)、これらブランドの中級機には確実に優っていると思う。

 

 

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左 SV842ED, 右 SLC7x42最後期コート,下 NL Pure

2022.1  本編レビュー追加しました

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