ジャングルさんの双眼鏡・単眼鏡レビュー Binoculars and Monocular Review

素晴らしい銘機から普通機まで、双眼鏡・単眼鏡についてその覚書

Zeiss Victory SF 32 (8x32)試用

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デモ機のSF 8x32 をごく短時間試用しました。話も少々上の空で、没頭して観ていました。

SFシリーズ待望の32mm機。全長が152mmと少し全長が長い以外は軽量かつ、構えた際の重量バランスがメーカーの主張のとおりアイレンズ側に持たせることでとても軽く感じ、長時間快適に使用できそうです。
鏡筒およびヒンジ部分の感触と動作に機械的なソリッドさ(精密性と耐久性)感じます。
さっと覗いたところ、非常に見易い、心地よい、安定した高画質。
人工物が多いビル街では、一見視界が白っぽく感じますが、コントラストの低さや内面反射に起因する現象ではなく、最近の高度に収差補正をされた双眼鏡によくある個人的な印象です。
視野の広さは体感的には数字ほどのインパクトは正直無いですが(NL PureやWXの没入感が別格なだけ)不満はありません。歪曲はわずかなピンクッション、当然RB現象は皆無。周辺像はクラシックになだらかにぼやけていくタイプです。 
EL SV 8x32WBとの比較では、ELの強調された3D Effectと中心象の迫ってくる見え方、青緑を若干強調した色彩表現とは味付けという意味で全く方向性が違い、自然な見え方に徹してフラット、しかしよく見ると高い解像力とコントラストに加え色収差も中心と周辺にかけての倍率収差が良好に抑え込まれ、色再現も含めて「通向き」の画質。


SF 42mm機を所有されている方には申し訳ないのですが、「やっとZeissがZeissのフラッグシップ双眼鏡に対するアイデンティティと自信を持って、ELに対抗する機種を32mmで出せた」というのが感想です。
その後、Allbinos.comによる最新のSF8x42レビューで、最近の生産品が発売初期に見られた内面反射をはじめとする不具合を改善させたことが示唆されています。


コストを除外すれば3cm機での現時点でのベストチョイスかもしれません。

という事で、現在個人的に絶対に入手したい3cm機の筆頭であります。

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