Classic 3X12B / Victory MONO 3X12T*
前者はMade in Germany で長く製造されていた。対物レンズはブルーのモノコートで対物側面にGERMANY刻印あり。その後2010年代のどこかでハンガリー製造に移されT*表記となる。
T*コート化で実際に対物レンズ面がMC化され(アイピース側は違いがよくわからない)、カラーバランスがニュートラルにより近づいた。 モノコートでは明らかに黄緑にかたより、T*で若干透過率がよくなり色被りは軽微になった。(Swarovisionと比べるとまだ黄色いが)。
新旧いずれもヘリコイドグリス耐候性に問題を持ち、長期の保管で揮発しグリストルク抜けと、主にプリズム部分への蒸散クモリを発生し、抜けの悪さとゴーストの発生を生み出す。(LED光源でみると内面が真っ白く光る 画像の状態)
このグリス除去で筒内の清掃を行うと白い紙が茶色く染まる。
プリズムホルダーはプラスチック製で保持は接着剤を使用しているため、シュミットとペシャンプリズムの相対する面が曇ると分解して清掃できないため大変なことになる。プリズム側面の黒塗りがないことも斜めから入光した際の内面反射を生じる原因で、これらを処置するとコントラスト改善により素晴らしく視野内の見え方が改善する。 ただ、絶対的にプリズムが小さくスリムなので設計的にサイズ優先の無理が目立つ。見え方は素晴らしく近接は特に物体の艶の描写に長け美しい。
美術館における使用では数m以内の油彩画の詳細を見るのにとても役立った。
西洋画の貴婦人の腕の描き方や金細工のブレスレットの輝きを非常になまめかしく美しく描写。
一方、彫像などを数m以上制限されて離れて見る用途には全く倍率不足。詳細が見えない。
購入の際には新品在庫といえども、可能な限りLEDライトを持参して実物を見てからにしたい。
通販新品や、オークション中古で「美品・専門店で検品済み」などというのはリスクがあるといえる。
買っては売りを何故か繰り返してしまう魔性の1本。
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